思い出のアメジスト
第111回
こんにちはジュエリーニシオカのにしおかまさるです
43年以上宝飾品を取り扱ってまいりました、中でも私が一番感動した話を書いてみたいと思います。
【84歳になられたお客さまのアメジストの思い出】
(ご本人の了解を得て書いております)
現在84歳になられる方で、誕生石は11月トパーズですが
とても宝石の好きな方で、多くの種類の宝石をお持ちになられ、指輪、ネックレス、ペンダント、ブローチ、中でもお気に入りはアレキサンドライトです。
ご高齢のため必ずお電話があった時だけ伺っております。
しかしこの方は、お気に入りとは別に非常に大切にしておりましたのが2月誕生石のアメジストで有り、ごく普通のアメジストで石のまわりが丸くなりかなりの年代物でもありました。
この方は私にこの指輪をリフォームされたいとの申し出があり、
私は一瞬・・・次の言葉がなく よくお話をお聞きいたしますと、このアメジストは
母から頂いた大切なアメジストですとはっきりと言われ
持っている宝石はどれも好きですが、このアメジストだけは特別母との思い出の指輪
このままにしておくべきか、リフォームするべきか悩んだ末にリフォームの決心をしたそうです。
お話を伺っておりますと、戦後の辛かった時分のお母さんとの思い出が次々とお話になられ、
最近はとても懐かしい思い出として心もなごみ
子供や孫にも恵まれて元気に仕事ができるのも戦後母から頂いたアメジストのお陰です
とおっしゃり、涙を流しながらリフォームされた時を今でも思いだし、
この方にはいつも綺麗なアメジストを身につけていただきたく、伺うときには洗浄機を持参しております。
アメジストは決して高価な石では有りませんが
【石のかずだけ人の想いとと価値がある】 ということを感じさせてくれる大変感慨深いなしです。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
にしおか まさる